技術者ワーママ こころとからだの修理日記

技術職のワーママです。初期乳がん見つかったりうつになったり。でも何とか生きてます。

健側か、鼠径部か、タトゥーか ー乳輪・乳頭再建の選択肢ー

今日は乳輪と乳頭の再建について、どんな選択肢があるのかというお話になります。

再建しない場合には、乳頭を自作した話についても書いてます、こちらもご参考に↓

 

自分で乳頭を作ってみた - 技術者ワーママ からだの修理日記

 

そもそも乳輪・乳頭を再建するか

そう、まずこれです。

正直乳房については、体形のインパクトに影響が大きいので、再建する場合が多いと思います。でも乳頭って要る?ってなると、要らない人もいると思うんですよ。かくいう私も子供に作って、って言われなかったらなくていいかなと思ってたくらいです。

上の記事にも書きましたが、半年くらいは乳房再建後様子見期間があるので、その間に自分は見慣れてしまいます。作ったら作ったで、形や色など維持するために気を使わないといけないので、自分はもちろん、子供やパートナーなどの意向も踏まえて再建するかどうかを決める必要があります。

ちなみに再建しない場合にも、人工の乳頭を必要なときに使ったり、タトゥーで乳輪乳頭を書いてもらうということもできるので、あんまり困ることはないと思います。

再建方法は色々

上記のように、そもそも再建しないケースや、「全摘でも乳頭を残せる」ケースがあることから、乳輪・乳頭再建は乳房再建と比べると影の薄い手術です。ただ、乳房以上にリアリティが要求されるため、やるからにはちゃんと選択肢を知っておきたいですよね。

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さんによるイラストACからのイラスト

 ということで、今回調べてみたところ、乳輪・乳頭の再建については、乳房再建と比べると選択肢がたくさんあり、そして再建を行う病院によってもバリエーションが異なったりするようです。細かいバリエーションは置いといて、大まかに分けると下記の選択肢があるようです。

 

表 乳輪と乳頭の再建方式(※)

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それぞれについては下で詳しく説明したいと思いますが、反対側から持ってくるか、乳房の皮膚と脂肪の一部を切って縫い合わせて乳頭を作る(局所皮弁)か、それ以外かが大きなポイントになります。

健側からの移植

当たり前ですが、この方法が一番リアルに仕上がります。反対側とのバランスも調整してもらえるので見た目は一番しっくりくるはずです。

ただ、この形式を選ぶためにはいくつか条件があります。

 ① 片側の乳輪乳頭が残っていること(大前提)

 ② 出産/授乳の希望がないこと

 ③ 乳輪乳頭がある程度大きいこと

 ④ 反対側の乳輪乳頭に傷が残る事と生着しないリスクを許容できること

  (最悪壊死する場合がある)

①は前提なのでおいといて、一番重要なのは②になります今後出産の可能性がある場合にはこの方式は選択できないそうです。

 あと、③については、正直自分の乳頭のサイズが相場的にどうなのかってわからないのですが(汗)、半分持ってってサイズ的にいいかどうかがポイントらしいです。

言い換えると、乳輪乳頭が大きくてコンプレックス、という方はそのコンプレックスが解消できるというメリットもあるようです。正直そんなに人と比べたことないので、コンプレックスになることがあるのかもよくわかりません・・・。④はやってみないとわからないけど、そういうリスクもありますよ、ということみたいですね。

 局所皮弁による乳頭形成

健側の乳輪乳頭の移植をしない場合の乳頭再建手術は局所皮弁を選定することになります。ちょうど乳輪乳頭の位置の皮膚を脂肪ごと切込みを入れて立ち上げて、切込み部を球状に縫い合わせる方法です。

 ここでのポイントは二つあって

① 乳頭が小さめの人向き、大きい人は健側より小さくなる

鼠径部(足の付け根、内股の皮膚)からの皮膚移植を希望するかどうか

です。①については、皮膚組織の厚みなどによって仕上がりが決まるらしく、どれくらいのサイズになるかは人によるみたいです。なので、地味に乳房の再建方式も影響するようですね。私は背中の組織で再建して、局所皮弁で乳頭を作ってもらいましたが、「背中の皮膚がしっかりしてるから、意外と乳頭大きくできた」って言われました。また、病院によっては、乳頭の大きさや形を維持する目的で、人工骨などを芯材として乳頭に仕込む場合もある(ただし、稀に骨が出てきてしまうなどデメリットもあるらしい)ようですので、形成の先生に相談してみるといいと思います。

 ②については、主に乳輪が対象です。局所皮弁を選ぶと、当然着色はされずに形だけになります。そのため、着色をしないか、タトゥーなどで着色するか、足の付け根(鼠径部)の皮膚を移植するかの3択になります。ちなみに、鼠径部の皮膚を移植する場合としない場合では乳頭の作り方(皮膚に入れる切込みの入れ方)が変わるようです。乳輪に鼠径部の皮膚をドーナツ状に移植する方法が多いようですが、病院によっては、どうしてもタトゥーを入れたくない人に乳頭も鼠径部の皮膚を移植するケースもあるようです。

タトゥーによる着色

健側からの移植、乳輪・乳頭を鼠径部からの皮膚移植を使う場合以外は、タトゥーをするかどうかを選択することになります。上記でどの方法を選択するかによって

・乳頭だけ着色

・乳輪と乳頭に着色(局所皮弁)

・乳房に乳輪乳頭の陰影をつけて着色(局所皮弁なし)

のいずれかになります。ちなみにこのタトゥーはプールに入れなくなるアレとはくくりが違うそうです。MRIの検査も(アレはNGらしいですが)影響ないそうです。

 私の場合には乳頭だけ着色のパターンでした。下に費用の話もありますが、私の病院では、乳頭のタトゥーについては、乳輪乳頭形成手術のアフターフォローとしてサービスしてもらえました。

 人によってはすぐ色が抜けてしまうケースがあるようです。私の場合は今のところ特に気になりませんが、色が抜けてきた場合の再着色の費用もおそらく病院によって異なるので、できれば事前に確認した方がいいかもしれません。

 乳房再建の記事でも少し触れましたが、手術をする病院で、どの再建方式を実施可能なのかというのは形成の先生に確認が必要です。ただ、自分が乳がんと診断されたタイミングでそこまで考えるのは正直余裕がないと思います。おそらくたいていの場合は複数の選択肢を用意してもらえると思いますが、こだわりがあれば別の病院で再建するという方法もあると思います。もし、治療方針を決定する前に形成の先生に話を聞くことが出来るのであれば、確認すると安心ですね。

再建費用について

 私は乳頭を局所皮弁、乳輪は鼠径部からの皮膚移植で再建を行いました。私が手術した時(18年冬時点)では手術費用は5万円ちょっとでした。上記の参考サイトでもほぼ同じ金額が記載されていたので、費用の目安となると思います。また、医療保険に加入していて、乳がんの摘出、再建手術で給付金が支給された場合には、この手術も給付対象になる可能性があるので、保険会社に確認しておきましょう。私は5万円支給されたのでほぼ自己負担はありませんでした。

 また、注意が必要なのは保険適用外のタトゥーの費用です。これは病院によって異なります。病院によって、手術するよりタトゥーの方が高くなる場合と、逆の場合があります。方式を決める前に是非確認することをお勧めします。タトゥーの場合、医療保険も給付対象外のようです、予想外の出費になる可能性があります。

 

 とにかく色々選択肢があって悩みますが、自分に合った方式を選ぶのが良いと思います。是非再建時の参考になればうれしいです。最後までお読みいただき有難うございます。

 

 ※参考サイト

4.乳頭・乳輪の再建手術~いろいろな術式と留意点 | E-BeC(エンパワリング ブレストキャンサー)

乳房再建術について | 国立がん研究センター 東病院

乳頭乳輪再建について(矢永クリニックホームページ)

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