技術者ワーママ こころとからだの修理日記

技術職のワーママです。初期乳がん見つかったりうつになったり。でも何とか生きてます。

がんサバイバーは出世すべきなのか?

いきなり重い話題ですみません、

がん仲間との話でとても考えさせられまして。

 

最近あまり記事にしていないのですが、

私は以前乳がんにかかり手術しました。

不幸中の幸いで、全摘、再建はしましたが

完治と主治医には言われ、2年以上経ち

今のところ健康に過ごせています。

 

実は職場にがんにかかって手術した人は他にもいて

治療を続けながら働いている方々から、

退職してゆっくり過ごされている方

寛解して以前と変わらず働いている方

色々いらっしゃいます。

 

がん仲間の1人は、とても優秀な技術者で、

周囲から管理職になることを勧められています。

私ももちろん出世するに値する能力がある方と

思っています。

 

でも、がんの手術によって、色々就労に制約が

あるので、本人はそれを望んでいません。

正確にいうと、管理職になる事で、今まで

制約の範囲でやりくりできていたことも、

負担が増えることに対して配慮がなくなり

自己責任となり体力的にこなせないという事です。

共感しかありません。

 

私も、がんが完治したと言われた翌年に、

管理職になる事を勧められて、かつてないほど

チームに恵まれない状況で成果を求められました。

もちろんブラックな職場だったのもありますが、

大きな手術で体力が落ち、

手術跡などの痛みや痺れなどもある状態で、

全くその事を考慮されずに健康な(しかも大抵の場合

配偶者が育児を担っている男性)社員達と同等以上の

成果を求められる負担は小さくありませんでした。

うつになった原因の一つに健康状態があったのは

間違いないと思っています。

 

もちろん、がんサバイバーとして、

働かせてもらえる事は幸せな事だし、

昇格を勧めてもらえることも恵まれているんだとは

十分分かっています。

 

でも、仕事だけを切り出して同じ条件にしても、

それが平等(フェア)だとは限らないのです。

 

もちろんこれは病気に限ったことではありません。

例えば育児や介護による制約だって同じです。

でも、それらの制約を経験していない人達ばかりが

職場の中核にいると、その事を考慮する事自体

放棄される事が多くあります。

その結果、制約のない人が優遇されるシステムが

職場で完成され、制約が意識されなくなります。

 

がんサバイバーにとって、

必要以上の無理を強いられることは、

命に関わります。

でもその事は全く理解されません。

自己責任だからです。

でも周りの人にも全く悪気はありません。

だから辛いのです。

元気になったのに、病気だから配慮してとは

いいたくありませんが、

言わないと自分が追い込まれます。

だから出世したくない、になるのです。

 

今は自分の命を守るために、出世しない選択も

やむを得ないものだと思っています。

もちろん、実力に合ったポジションに出世して、

周囲に理解を求めて、自分のできる範囲で工夫して

いくのも正しいと思います。

 

政府の方針で定年も伸びて、

医療がさらに進んでくると、

ますますがんサバイバーは増えるはずです。

 

がんサバイバーの中にも優秀な人達がいるでしょう

そんな人達が無理なく成果を出せるように、

もちろん健康な人も無理して体を壊さないように、

働くことのできる会社が増えてくれる事を

心から願っています。

 

というか、そんな会社に転職したい。

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